ビロードの背中
■カナエタイコト■

メールゴシノカレ

彼と私の仕事の都合から、旅行の日を決めた。

土日の1泊なので、仕事にかかることは無いが、

庶務課に連絡し宿泊先の部屋の確認を取らなければならなかった。


”誰と行くのか聞かれるのかな。

部屋が空いてるかなんて自分で確認したい。”


すぐに庶務課より連絡があり、日にちは決定された。

余計な事など聞くはずも無かった。

この時期、このご褒美のせいで庶務課は大忙しなのだ。


”ちょっと、がっかり。”



昼休み、先日の彼からの受信メールをまた読み返した。

<はい。了解しました>


たった、これだけの言葉。

たった、これだけの文字。


普通すぎる返答に、ドキドキする。

何度も読み返してしまう――。






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