12月の春、白い桜が降る。
中一でデートに誘われた時も、私はあっさりOKした。
今の彼となら、デートしてみたいと思った。
もちろん、前の彼が嫌いだった、という訳でもないけど。
デート当日は、朝から土砂降りで、遊園地へ行くはずが急遽水族館へと変更された。
彼は一生懸命話題をふろうとして、精一杯楽しませようとしてくれて、
私にはそれだけで十分嬉しかった。
彼のアイスが、私の服にかかり、私の服が汚れてしまった時、彼は急いで処理をしてくれて、
何度も何度も謝っていた。
私には、全然気にかかる程のことでもなかったし、彼がこれほど私を好きでいてくれていることの方にずっと気を取られて、
まだ中学一年生という子供だった私でも、とても幸せでドキドキしていた一日だったことを、今でもよく覚えている。
雨が降り続きながら、緊張で私は何も話すことが出来ず、お互い無言のまま帰り道を歩いていた。
ふと、私の好きな香りが鼻に通った。
ふと顔を上げると、知らない人の家の山茶花が咲いている。
私は思わず、「山茶花だ!」と声を上げた。
「山茶花、好きなの?」
「うん。香りが好きなの。淡くて、優しい匂いがするでしょ」
「うん、そうだね。」
会話はそれだけで終わってしまったが、私の脳裏に焼き付くほど、鮮明に彩られたまま、この日になった。
今の彼となら、デートしてみたいと思った。
もちろん、前の彼が嫌いだった、という訳でもないけど。
デート当日は、朝から土砂降りで、遊園地へ行くはずが急遽水族館へと変更された。
彼は一生懸命話題をふろうとして、精一杯楽しませようとしてくれて、
私にはそれだけで十分嬉しかった。
彼のアイスが、私の服にかかり、私の服が汚れてしまった時、彼は急いで処理をしてくれて、
何度も何度も謝っていた。
私には、全然気にかかる程のことでもなかったし、彼がこれほど私を好きでいてくれていることの方にずっと気を取られて、
まだ中学一年生という子供だった私でも、とても幸せでドキドキしていた一日だったことを、今でもよく覚えている。
雨が降り続きながら、緊張で私は何も話すことが出来ず、お互い無言のまま帰り道を歩いていた。
ふと、私の好きな香りが鼻に通った。
ふと顔を上げると、知らない人の家の山茶花が咲いている。
私は思わず、「山茶花だ!」と声を上げた。
「山茶花、好きなの?」
「うん。香りが好きなの。淡くて、優しい匂いがするでしょ」
「うん、そうだね。」
会話はそれだけで終わってしまったが、私の脳裏に焼き付くほど、鮮明に彩られたまま、この日になった。