12月の春、白い桜が降る。
だけど結局、中学に上がってすぐ私と仲の良かった友達と付き合ってしまった。

彼には卒業したあとすぐ告白していて、返事は貰っていなかったし、
その友達にはよく彼のことで相談していたため、

同時に二人から裏切られた感じがして、当時の精神はかなりやられていた。

だけど、同じクラスの男の子…冬郷 陽が気になるようになった。

彼とはどこか私と似ている気がした。

見た目でも、性格でも、雰囲気でもない。

でもなんか…言うならば、女の勘みたいなものが働いた。

それからすぐにしてその謎は解けた。

彼には小学生の頃から片思いしている女の子がいるらしい。

どうりで、似ているような匂いがした。
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