12月の春、白い桜が降る。
二人で寄り道して、素敵な公園も見つけた。

私は彼と、二人でこの景色を共有できることが嬉しくてたまらなかった。

それから私は、たまにこの公園に通うようになった。

夕日がとても綺麗だった。

特に冬は空気が澄んでいて、ここで夕日を見るのには絶好だった。

私は寒い中でもここに来ては一人で、暫く夕日を見てから帰ったりしていた。


一度、いつものように一人で夜景を眺めようと公園に行った時、先にようが来ていた事があった。

話しかけようとしたが、彼は私に気づかず、ただ一人で、遠くを見ていた。

いつもと違う彼がかっこよくて、でもどこか辛そうで、話しかけることが出来なかった。

私は階段から夜景を背に片想いの相手を見つめていた。
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