12月の春、白い桜が降る。
私は臆病で、小心者だから
そんな山本さんに恋しているように告白する勇気なんてありもしなかった。

ましてや二年生に上がってクラスが変わってから、
三年生までずっと話しかけることさえ出来ていなかった。

でも高校が違うことを聞き、どうせ会えなくなるのなら、
と、あの日の告白もダメ元だった。

だから、返事を聞いた時は、頭が空っぽになって、
数秒間何も考えられずに動けなかった。

それぐらい嬉しくて、幸せで、幸せすぎて怖いぐらいだった。
< 69 / 210 >

この作品をシェア

pagetop