12月の春、白い桜が降る。
ようとの恋は、信じられないほどぎこちなくて、不器用で。

せっかくのデートの日に雨に降られて、二人とも傘を持ってきてなくてずぶ濡れになったり、

私が電車を間違えて、一時間も遅刻したこともあった。

ようは怒りながらも、繋いでくれる手はやっぱり暖かくて。

でも小さな事でも一緒に感情を共有できることが嬉しくて。

ようは初めはあまり自分の思いを口にしてくれるような人じゃなかったけど、

だんだん素直にいってくれるようになった。

私は、私のために変わろうとしてくれる彼が、本当に好きだった。
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