12月の春、白い桜が降る。
だけど、人生はやはりそう簡単に上手くは行かなかったのだ。

高一の六月上旬、雨上がりの夕方だった。

ひどく高熱を出し、病院に向かうと、私は脳癌だと申告された。

腫瘍が発症してから一年近く経とうとしていたため、既に遅かった。

残された余命は二年も持たない、と医者から断言され、頭は真っ白になってしまった。

その夜、部屋で一人、家族にバレないように泣いた。

せっかく幸せになれたのに、せっかく思いが通じたのに。

神様はなんて性格が悪いんだろう、と、ひたすら恨んだ。

もっとこれからもずっと、ようといたかった。
< 71 / 210 >

この作品をシェア

pagetop