12月の春、白い桜が降る。
「何かあったの?」

高二の春も、終わろうとしてた時期だった。映画の帰り、ようはとうとう私の様子に気がついてしまった。

余命二年と申告されてから一年がたって、今更怖くなったのか、
私のいつもと違う表情に、ようが気がついてしまったのだ。

いつもと変わらないようにしてたはずなのに。

そうしてる、つもりだったのに。

隠し事なんてしたって、いずれバレてしまう。

この一年間は、奇跡のようなものだったんだと、そう自分に言い聞かせて、一息ついてからように話すことを決意した。


「私ね、もうすぐ死ぬの。」


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