12月の春、白い桜が降る。
二ヶ月が経ち、やっとようのお母さんから退院した、という報告のメッセージを貰った。

そのメールを見て安心はしたものの、今までと、なんら感情に変化はなかった。

しかし、次の一文を見て、私の感情に少し、光が差し込んだ。

『落ち着いてきたから、会いに来てね。』

やっと、ように会える。ようの声を聞ける。

今にも走って会いに行きたいくらいだった。

携帯の時間を見ると、時刻はもうすぐ七時。

まだ充分に会いに行ける。

私は急いで家を飛び出し、ようの家へと向かった。
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