雪のラブレター~先生、好きです~
『す』



足を一歩踏み出すと、しゃりしゃりと足音が鳴る。


外の世界は、気温 -3℃の雪景色。




「さむ…」


首に巻いた真っ赤なマフラーに首を縮め、吐く息は白い。


学校指定の紺のダッフルコートはブレザーの上に来ているが、スカートは暑い時期と変わらず、丈は膝上のまま。




凍えるぐらいの寒さのなか、スカートの丈の短さは精一杯のおしゃれだ。




「あら、間宮さんのところの娘さんじゃない。今日も、こんな朝早くから学校行くの?」


まだ朝日が昇りきっていない中、いつもの通学路を一人で歩いていると、声を掛けてきたのは近所の名前しか知らないおばちゃん。



「おはようございます…はい。やることあるんで」

「偉いわね~。気をつけて行きなさいね。いってらっしゃい」

「ありがとうございます。いってきます」


すれ違いざまに、そういう会話をするのもいつもの日課になってる。





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