やさしくしないで ～なぜか、私。有能な上司に狙われてます～

シャワーを浴びて服を着る。

私も、課長は普段の姿に戻った。私は、さっぱりとした部屋着に戻った。
もちろん、岡先輩とこうなった時のことを考えて、じっくり選んだ部屋着だ。
課長はヨレっとしたシャツを羽織っている。
シワの寄ったシャツで体を覆っても、中身がどんなに素晴らしく、バランスの取れた体をしているのか、隠すことは出来ない。
普段スーツで隠れている中身を、私はすでに目撃してしまった。肌で感じて知っている。
私、課長のことそう言う目で見るようになったのか。

「飯でも食おうか？」課長が突然言い出した。
「えっと……」
外に出ようと誘おうか考えていた。
一人になって、頭の中を整理したいのに先を越されてしまった。

でも、こうなることを見越して、軽い朝食の材料くらい事前に用意してたけど。
ベッドでいちゃついてたぶん、時間が遅い。朝食の材料しか用意していない。
そろそろお昼と言う時間だ。
「冷蔵庫、見ていいか？」私の返事を待たずに、課長は行動に出た。
「はい」
「適当に何か作ってやろう」彼はすでに、冷蔵庫のドアを開けている。
「本当ですか？」この人って、料理できるのか？