やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
「でも……あれは露骨だったね」
「はあ」さっきの課長とのやり取りを見られていたのだ。
「そりゃあ、嫌でもみるよ。目の前だったもん」
課長にぶつかって、よろけたところを支えてもらった。
「はあ」
「マッチーも必死で面白かったけど」
「必死?」思わぬ言葉を聞いて驚く。
「だって、余りにも都に通じなくて。アプローチしても反応がないから、とうとう分かりやすい手に出たって感じかな」
「そうなんですか?」早紀先輩には、そんなふうに見えたのか。
「課長、案外苦戦してるね。タッシーの予想通りだわ」早紀先輩は、少々酔いが回って口が回るようになってきた。普段話してくれないようなことも話してくれる。
「タッシー?」
「ああ、田代のこと」田代君とそんなことを話し合ってるの?
「二人で予想してるんですか?」
「違うよ。二人だけじゃないって。予想して楽しんでるの私たちだけじゃないから」
「だけじゃないって?」
「上からは、専務もいるし。フロアのみんなはたいてい知ってると思う」
「ええっ?」
「みんな、思わぬマッチーの苦戦を暖かく見守ってるよ」
「見守ってるって」
「反対してるのは、営業の水口さんだけだけど」
「はあ」さっきの課長とのやり取りを見られていたのだ。
「そりゃあ、嫌でもみるよ。目の前だったもん」
課長にぶつかって、よろけたところを支えてもらった。
「はあ」
「マッチーも必死で面白かったけど」
「必死?」思わぬ言葉を聞いて驚く。
「だって、余りにも都に通じなくて。アプローチしても反応がないから、とうとう分かりやすい手に出たって感じかな」
「そうなんですか?」早紀先輩には、そんなふうに見えたのか。
「課長、案外苦戦してるね。タッシーの予想通りだわ」早紀先輩は、少々酔いが回って口が回るようになってきた。普段話してくれないようなことも話してくれる。
「タッシー?」
「ああ、田代のこと」田代君とそんなことを話し合ってるの?
「二人で予想してるんですか?」
「違うよ。二人だけじゃないって。予想して楽しんでるの私たちだけじゃないから」
「だけじゃないって?」
「上からは、専務もいるし。フロアのみんなはたいてい知ってると思う」
「ええっ?」
「みんな、思わぬマッチーの苦戦を暖かく見守ってるよ」
「見守ってるって」
「反対してるのは、営業の水口さんだけだけど」