やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
長いまつ毛。
顔を近づけると、課長って堀の深い顔立ちをしているのがわかる。私は彼の鼻のてっぺんにキスをする。

眠りに落ちた時は、この逞しい腕で枕をしてくれた。
包み込むように抱いてくれてたんだけど。
腕に負担をかけそうで、そっと外して彼の胸に体を寄せて眠っていた。私は、彼の横で眠るのが好きだ。
こんな姿を知る前は、彼がオフィスにいるだけで緊張してたのに。今は、こんなふうに、体を丸めてぴったりと寄り添って寝ている。

この人が好き。
もっと近づけるように体を押し付ける。いろいろ理由を考えて心配したけれど、こうなってしまえば、一緒にいるのが自然なことだ。

課長の家のベッドは、私の家のより広くて大きい。
並んで寝ても余裕があるから、こんなにくっつかなくてもいいんだけど。
彼の温かさを感じるくらい、そばにいたい。
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