やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~

「それで、責任取れなんてこと言い出したんですか?」
彼の手が前に回されて、両方の胸を捕えた。私は、声を出さないように我慢をした。
「。ずっとバランスを保ってたのに。お前がそれを崩した。
まったく。オフィスで君を見るたびに、都のこんな姿を想像してしまう。なかった事には出来ないさ」
「ごめんなさい」それは、私だって同じだ。
あの日は、相手があなただなんて、思ってもみなかったんだもの。
でも、そうでなければ気が付かなかった。

この人がこんなに優しい人だったなんて。
「君って、懐に入って来ると、まるで別の女性になるからな」
「別の女性?」
「もとから可愛いとは思ってたんだ。でも、自分の部下に手を出すつもりはなかった。それなのに、君の方からやって来て……」
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