やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~

彼の指が着ているものを剥いでいく。
全部脱がせてしまうと彼は、体を起こして横向きになると私の体を観察した。
見られるの初めてじゃないけど。
こんなふうに、目隠しをされたまま、しっかり見えてしまうのは恥ずかしい。
「恥ずかしいから、止めてください」

「俺たちは少しずつお互いのこと知って、親しくなっていくんだろう?
都のことは、隅々まで知る必要がある。どこもきれいだよ。隠す必要なんて全然ないじゃないか」
「でも……」そう言われたからって、恥ずかしさは消えない。
「お前、顔つきは地味なくせに。本当にきれいな体してるんだぞ。気が付いてないだろう?今日は、なにもしない。二人でこうしていよう。食べるものも冷蔵庫にたくさんある」
「ゆ、侑介さん……」
「いい子だ。今度は、君からキスして」
「ひどいわ」
目隠しで背中にキスされてるのに。どうやってキスを返すのよ。
「俺は、都の体がいいんだ。もっとよく見せて」

もうすぐお昼になるという頃、私たちはやっと食事をした。
家にあった食材を使って一緒に簡単な料理を作る。
朝ごはんは、作れなくて結局昼と兼用になった。
一緒にリビングでイチャイチャしながら、テレビで映画を見る。
夕方は、お酒で乾杯しながら食事を一緒に作った。

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