私達の初恋には秘密がある
知られたくないこと
そこには、なんでこっちに来たのか、とか転校の日づけとか、その詳細が送られてきた。

噂をすればってやつかな。

下らないことを考えて、りょうちゃんからのメッセージを読んだ。

りょうちゃんのお父さんは実は、海外に転勤だったみたいだ。でも、りょうちゃんは海外には行きたくないと言って、祖父の家に預かることになったらしい。

そう言えば、幼稚園の時の引越しも、親の転勤だったよな。
忙しいんだな···。

結局、りょうちゃんのお母さんもお父さんの転勤に着いて行ったそうだ。

私が「寂しいね」って送ったら。

「ことりに会えたから大丈夫」って送られてきた。

その言葉に私は不覚にもドキドキしてしまって。
これ、無自覚なのかな。
触ると、熱い頬。

治まれ私! ベットの枕に顔を埋めた。

はぁ...どうしよう。
どうしてくれんの。

神様は、私の淡い初恋すらも汚したいみたいだ。
せっかく会えたのに。
運命なんて信じないけど···でも、きっとあるとしたらこんな感じだ。
なんて、自惚れすぎか。

でも、きっと私は君を傷つける。
一緒にいちゃダメなの。
たぶん、今の私じゃ、迷惑をかけてしまう。

「ねぇ、りょうちゃん。明日もし私を見つけても話しかけないでね。」

送ろうとして、送らなかったメッセージ。

きっと明日になったら分かるでしょ・・・.。
なんて、本当は送りたくなかっただけ。

でも、また皆みたいにいなくなっちゃうんだ。

そう自分に言い聞かせて、ヅキヅキ痛む心を落ち着かせようとした。

“期待なんてしないんだって”
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