私達の初恋には秘密がある
知られたくないこと [私の回想]
ジメジメする空気。
アスファルトから出るゆらゆら揺れる熱気は、その先の景色を歪ませてみせた。
まるで、アニメみたいだ。
アニメみたいな暑さ。
まぁ、アニメの暑さなんて知らないけどさ。


その日の暑さは最悪だったが、それ以上に学校も最悪の日となった。


朝っぱらから、掻いた汗をハンカチで拭きながら下駄箱を開ける。
するとそこには、1つの封筒があった。
手紙なんて見慣れないものに、私は内心すごい驚いているのに言葉も出なかった。

なに、これー····。

この手紙が私のこれからを揺るがすものなんて、さらさら知らずに手に取った。

薄い黄色の、ちょっと可愛い封筒。
(今どきこんなのする人なんているんだ。ちょっと古風だな···。)


その場で読むのも何だか気が引けてー····。
だから、そっとカバンに閉まってこっそりとトイレの中で読んだ。

そこにはー····。

「話があるので、昼休み体育裏に来てください」
とだけ記されていた。

え、えー。どうしようー····。

これはどう考えても告白だ。でも、これ無視ちゃだめだよね。
名前も組も書かないような、そんな度胸もない人と会いたくは無いし、怖いけど。
もし、本当に好きでいてくれたのなら…きっと勇気が必要だったよね。私なら来なかったなんてなったら死にたくなるもの。

これは、切実さが大切だ。

断るために行くなんてちょっと気が引けるし、申し訳ないし、気持ちが重いけど...でも私だって勇気が必要だ。

告白してくれる人に申し訳ない。

昼休みー····。

友達に、ちょっと行く場所があって、と説明したらどうしたの?と詰め寄られたので、(たぶん検討はついていただろう)仕方なく答えた。

すると、やはり皆やっぱりか、という表情で私の今朝の話を聞いていた。

「あの、だからー·····」

「あー、はいはい。行ってらっしゃい」

「あんまりモテすぎるのも厄介だね〜」

なんて言われながら、私は教室をあとにした。

(ふぅー··どうしよう、やっぱりいるのかな?)

ドキドキして体育館裏に来てみた。
すると、そこには

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