旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
それから40分ほど走った先で津ヶ谷さんは車を止めた。
そこは横浜にあるショッピングモールで、車を降り建物内を歩いていく彼について歩いていく。
「あの、どうしてここに?」
目的をたずねるけれど、津ヶ谷さんは答えてはくれない。
そして少し歩いてきた先で彼は足を止めた。
見ると目の前には、私の大好きなダンシングプリンスのアニメのパネルやグッズが一面に飾られたカフェ。そう、コラボレーションカフェだ。
都内を始め首都圏近郊で行われているのは知っていたけれど、都内でもしも誰かに見つかっても大変だし、そもそもひとりで行くのもちょっとと思っていただけに嬉しい。
けど、なぜ津ヶ谷さんがここに?
「な、なんでここに……!?はっ、もしや津ヶ谷さんもついにあの作品の良さを知って!?」
「なわけあるか。普段だったら絶対こない」
そんな即否定しなくても。
だけど、じゃあ尚更どうしてここに?
そう不思議に思い津ヶ谷さんを見ると、彼は照れ臭そうに言う。
「けど、ここならお前が一番喜ぶかもって思ったんだよ」
私が、喜ぶから……。
そのために、わざわざ調べて連れてきてくれたの?
さらに津ヶ谷さんは予約も取っていてくれたらしく、スマートフォンを店員に見せるとスムーズに中に案内された。