旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
9.私たちの秘密
プラネタリウムで星を見ながら、自覚した気持ち。
それは、彼のことが好きだということ。
月曜の朝、ピピピ……とアラームの音が鳴る。それを止めると、もぞもぞと体を起こした。
「全然眠れなかった……」
いつもなら眠くてなかなか起きられない。けれど、今日はすんなりと起きれてしまう。
というのも、そもそもそんなに眠れなかったせいだ。
津ヶ谷さんのことを好きだと自覚して二日。
以来、彼を意識してしまってそわそわと落ち着かない。
土曜日も、プラネタリウムのあとは恥ずかしくてまともに顔が見られなかった。
起きてお弁当作ろう……。
しっかりしなければ、とやってきた洗面所で顔を洗う。
冷たい水でザブザブと顔を洗うと少し頭がすっきりした。そして顔を上げると、鏡には背後に立つ津ヶ谷さんが映っていた。
「わ!?」
驚き声を上げると、寝起きのままの珍しく髪に寝癖がついた津ヶ谷さんはあくびをひとつこぼす。
「お、おはようございます……早いですね」
「あぁ。目が覚めた」
突然現れた津ヶ谷さんに、一瞬落ち着きかけた胸はまたドキドキとうるさくなる。
目を合わせることも出来ずタオルで顔を拭いながら隠すと、そんな私のぎこちない動きに違和感を覚えたのか、津ヶ谷さんは不思議そうに私の顔を覗き込んだ。
「どうした?お前、今日なんかおかしいぞ」
不意打ちで近づいたその顔に、心臓が跳ねると同時に頬が熱くなるのを感じる。
「あれ、顔赤いな。熱でもあるのか?」
すると津ヶ谷さんは、そう言いながら自分の額と私の額をコツンと合わせた。
額と鼻先が触れる近い距離に、さらに恥ずかしくなってしまい、余計顔が熱くなる。
その熱を知られたくなくて、私は急いで彼から離れる。