旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



……はぁ、なんでこんなことになっちゃったんだろ。

これまで、見栄や外面で自分を装い周囲の人を騙してきたバチが当たったのか。

ていうか、結婚までしちゃって私の人生大丈夫なのかな。



……でも思えば、私も津ヶ谷さんと同じなんだよね。

外面ばかり繕っているから、誰も本当の自分を知らない。

見せたところで、幻滅されて去られてしまう。



そう思うと、お互いに都合のいい結婚なのかもしれない。

そうだ。そう思おう。



結婚した以上、この先も一生ひとりではないから老後も安泰!

備えて貯めていたお金少し使って、今度のアニメのイベント全通とかしちゃおうかな!



無理矢理思考を前向きにし、やってきた電車に乗り会社へと向かった。





「あっ、津ヶ谷さんおはようございま〜す。今日もかっこいいですねっ」

「あはは、おはよう。朝からお世辞ありがとう」

「お世辞じゃないですよ〜!」



社員証を首にかけオフィスへと出勤すると、そこではすでに津ヶ谷さんを囲む女の子たちが出来上がっていた。

先ほどまで私に対し冷たい目を向けていた彼は、いつも通りの津ヶ谷王子の表情で女の子たちに接している。



「あー、やっぱり津ヶ谷王子かっこいい。目の保養になる〜」



津ヶ谷さんを見て惚れ惚れと言う女性社員の言葉を聞きながら、私は思わず鼻で笑ってしまいそうになるのをぐっとこらえた。


< 34 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop