旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
それから数時間後の昼休み。
私は今日もひとり、資料室でこっそりとごはんを食べて過ごしていた。
小西さんが作ってくれた彩のいいお弁当をひと口食べ、スマートフォンで検索をするのは『夫婦らしさ』というワード。
今朝はごまかせたけど、いつまた小西さんに突っ込まれるかわからないし。
どんな行動が夫婦らしさを出すのか、事前に把握しておかなければ。
……私に経験があれば、こんなこといちいち調べなくてもわかるんだろうけどさ。
なにをどうすれば夫婦らしさが出るのか、ラブラブだと思ってもらえるのか。それすらわからない自分の経験値の低さが悲しい。
心の中で嘆きながら検索結果を表示すると、画面には『帰った夫を出迎える』、『あなた呼びする』など典型的な夫婦の図が浮かぶような言葉ばかりが並ぶ。
さらには『手料理をふるまう』、『一緒にお風呂』、『週数回のセッ……』
「なにしてるんだよ」
「うわー!!!」
そこまで読んだところで突然声をかけられて、私は慌ててスマートフォンの画面を隠す。
「つ、津ヶ谷さん……来てたんですか」
「あぁ。午後からまた外出だからその前に飯済ませておこうと思って」