旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
「なっ……」
なにをいきなり!?
あまりに突然の行為に、驚きと動揺でうまく言葉に出せずにいると
「あらあらあら!帰ってきて早速チューだなんて、ラブラブじゃないですか!」
そんな私たちにかけられたのは、小西さんの興奮した声だった。
み、見られた!?
恥ずかしさにボッと頬を赤くさせて振り向くと、二階から降りてきたところだった小西さんはニヤニヤと笑って冷やかす。
「もう、夫婦らしさの心配なんていりませんでしたね!うふふ!小西はお風呂の用意してまいりますので、おふたりでごゆっくり〜」
そしてキャーッとはしゃぎながら、奥にある浴室へと向かっていった。
ふたりきりになり、私は津ヶ谷さんをキッと睨みつける。
「なにするんですか、ばか!」
「誰がバカだ。一番簡単な方法で疑いを晴らしてやったんだろうが」
うっ……。確かに。
タオルのせいで口元がうまく隠れて、本当にキスをしているように見えたのだろう。
あの行動ひとつで小西さんはあの通りすっかり信じてしまった。
小西さんのその反応は計算通りだったのだろう。津ヶ谷さんは、ふふんと誇らしげに笑う。