旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
「小西さんが朝食用意して待ってる。さっさと起きてこい」
とりあえず起きて寝間着のまま居間へと向かうと、そこには今日も変わらず手作りの朝ごはんが用意されている。
小西さん、日曜も変わらず朝ごはん用意してくれるんだ。
ありがたいなぁとしみじみと思いながら「いただきます」とごはんを食べる。
津ヶ谷さんはそんな私の向かいに座り、同じく食事を始めた。
「今日もいいお天気ですねぇ。お洗濯物がよく乾きます」
お茶を淹れながら言う小西さんの言葉に窓から外を見れば、太陽が照らし、かすかな風が木々を揺らす。確かにいい天気だ。
「で、こんないいお天気なのにお出かけしなくてよろしいんですか?」
「へ?」
「せっかくのお休みなのにデートされないんですか?あら、そういえばお付き合いされていたっていう間も愁さんお出かけされていた様子もなかったですけど……」
はっ、危ない!また怪しまれてる!
不思議そうに言う小西さんに、慌てて弁解をする。
「デートはなかなかできなくても普段から会社で顔を合わせてましたから!」
「あぁ!ではおふたりはその分会社でラブラブされていたわけですか!」
「もっもちろん!人目を忍んではイチャイチャしてましたよね!ね!」
力説するように津ヶ谷さんに同意を求めると、彼は『また頭の悪そうな嘘をつく』とでも言いたげに呆れた目を向ける。
そして小西さんに聞こえぬよう小さくため息をつくと、表情をにっこりとした笑顔に変えて口を開いた。