旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



「彩和、今日は出かけようか。小西さんのいう通り、天気もいいことだし」

「え?」



出かけるって、それってつまり、デート?



……いやいや。嘘かも。

外に出ちゃえば夫婦のフリなんてする必要ないもんね。

とりあえず外に出て、夕方まで解散って感じかも。うん、ありえる。



「そ、そうですね」



心の中で納得すると、頷いて、私は食事を続けた。



そっか、そういうところも気にしなくちゃいけないんだよね。

津ヶ谷さんも日曜くらいゆっくり休みたいだろうに、好きでもない相手と出かけるなんて大変だ……。

でもこれまで休日はあまり出かけている様子もなかったってことは、意外と津ヶ谷さんって彼女とかいないタイプ?

いや、それはないか。小西さんが気づいていなかっただけで、それなりにデートとかはしていたのかも。




休日とはいえ外に出るため、普段と同じようにきっちりとメイクをする。

白いレースのワンピースにデニムのジャケットを肩に羽織ると身支度を終えた。



「じゃあ、小西さん。今日は夕食いらないから、小西さんも好きな時間にあがっていいから」

「かしこまりました。いってらっしゃいませ」



津ヶ谷さんと、玄関まで見送ってくれた小西さんの会話を聞きながら、いつも通り高めのヒールを履いて家を出た。


< 68 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop