旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
6.強がり



大波乱の日曜を無事終え、またほんの少し津ヶ谷さんの素顔に近づけた気がした。

寂しくない、そう言ってくれたことが嬉しくて。

少しでも私でよかったと思ってもらえたら、なんて図々しい希望すら浮かんでしまう。





週が明け、休んでいた社員も復帰し津ヶ谷さんの忙しさも落ち着きを取り戻した。

そんなある日の朝。身支度を終え家を出ようとしたところで玄関には大きめの紙袋が置いてあった。



「小西さん、これは?」



同じく家を出ようとしたところでそれを発見した津ヶ谷さんが、靴を履きながらたずねると、駆けつけた小西さんは思い出したように声を上げた。



「あっ、そうでした!こちら奥様から彩和さんへの贈り物でございます」

「奥様って、津ヶ谷さんのお母さんからですか?」

「えぇ。『手土産貰ったお返し。先日はありがとね』と、奥様からお電話がありました」



わざわざお返しだなんて。

ちょっと怖い人だけど、きっと悪い人じゃないんだろうな。



「そうだったんですか。じゃああとでお礼の電話したいので、お母様の番号教えてください」

「あっ、はい。あとで連絡先お教えしますね」



小西さんとそう会話を交わすと、津ヶ谷さんとふたり家を出た。

駅までの道のりをふたりで歩く。ハイヒールで少しもたつく足元に、津ヶ谷さんは合わせるようにスピードを緩めてくれる。


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