強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「10日ぐらい前に、久しぶりに電話が来たんだ。話したいことがあると言われて、用事もなかったからその日のうちに会うことになったんだ。昔も可愛かったけど、今は大人の色気もあって、綺麗になったなぁー。よかったなー、誰かと結婚しちゃう前に付き合えて。」
花巻も学生の頃から秋文が千春に片思いしていたことをもちろん知っていた。というか、気づいていたようだった。
「無駄話はいいですから………早く話してください。」
「おまえは本当につれない男だなー。……千春ちゃんは、会ってすぐに秋文がスペインへの移籍を断ろうとしている事を話していたよ。」
「…………。」
「そして、秋文が日本代表になるのが夢で、今はそれを掴めるチャンスがあるのに勿体無いと思っている。会社を起業して、大変だと思うけど秋文をスペインへ行ってサッカーをさせてあげてください。って、深々とお辞儀をされてお願いされたよ。」
「千春がそんなことを。」
「俺も考えが足りなかったって思ったよ。海外でプレイ出来る事なんて滅多にない事だ。俺だったらすぐに飛び付いているだろうかな。だから、俺がわかったというと、千春ちゃんはとっても嬉しそうに笑って、ありがとうございます。って言ってたよ。そして、俺から話そうか?と言ったけど、千春ちゃんは自分でも何とかする。って、言ってたな。」
「……そうですね。」
秋文は、千春がいなくなったことを簡単に離すと、花巻はとても驚いた表情で「すごいことをやったなー。」と、何故か感心していた。
「秋文からその話をされたら、賛成してくださいって言ってたのはそのためか。……秋文。」
「……なんですか。」
「そんな事までして思ってれる彼女なんて、なかなかいないぞ。………大切にしてやれよ。今まで以上に。」