強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
けれど、気になることもあった。
最近、秋文のメッセージが途絶えているのだ。
昨夜のように、元気にサッカーをしているのを見ると安心はする。
けれど、そしたら何故メッセージをくれないのか。それが不安で仕方がなかった。
彼はもしかしたら、もう千春とは付き合っていると思ってないのかもしれない。あんな離れ方をしてしまったのだ。秋文がそう思ってしまっても仕方がないと思う。
けれど、彼はきっと待っていてくれると期待してしまう。
だからこそ、メッセージが来ないの現状が怖いのだ。
もしかすると、秋文は自分の事をもう好きではなくなったのではないか。
そんな事まで考えてしまった。
「一色秋文選手、好きなの?」
「えっ!?」
急に秋文と言う言葉が聞こえてきて、ハッとして顔を上げる。すると、すぐそばに塚本がいることに気がついた。
「ごめん。驚かせたかな?」
「いえ。少しボーッとしてしまっていたので。」
今は職場の飲み会の場だった。
気づくと大人数になっていたようで、広い店を借りての食事会になった。
みんなそれぞれに立ちながらお酒を片手に話し合ったり、テーブルで真剣に仕事の相談をしたりと、各々の過ごし方で楽しんでいた。
始めは話に参加していたものの、集中出来なくなってしまい、一人でカウンター席でお酒を飲んでいた。
集中出来ないのも、呆然としてしまったのも、どちらの原因もすべて秋文の事を考えていたからだった。
一人で飲んでいた千春を、塚本が心配して声を掛けてくれたようだった。塚本は空いていた千春の隣の椅子に腰を下ろした。
「あの………いま、あき………一色選手って言いましたか?」
「あぁ、うん。世良さんのスマホに一色選手のキーホルダーついてたから、そうなのかなーって思って。」
「あぁ、なるほど……。」
「一色選手、いい選手だよねー!プレイも正確だし、先読みが出来るし、冷静沈着なところかっこいいよ。」
「男同士でも、かっこいいって思うんですか?」
「思うよ!サッカーも出来て、ルックスもいい。それなのに、調子にのり過ぎないけど自分に自信があるところ、すごいと思うよ。」
「そう、ですか………。」