強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
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「いたっ…………痛すぎなんですけど。」
「足を怪我したんだ。しょうがないだろ。はい、これは?」
「っっ!もっと痛いですよ!」
「はい。おしまい。」
「ありがとうございました………。」
秋文は、左足の脹ら脛を擦りながらベットから起き上がった。
帰国してからすぐに、リハビリと治療が始まった。メディアに内緒の理由とあって通院が出来ないため自宅に人を呼んで治療をしてもらっていた。
顔見知りの東という先生だったため、安心して診て貰う事が出来た。
「あ、終わった?ご飯出来てるよー。」
寝室からリビングに戻ると、キッチンで食事の準備をしていた女性が顔を出した。
「美和子さん……ご飯まですみません。」
「いいのよー!私が橘選手に会いたいってついてきただけだから。サイン貰ったお礼よ。」
この明るい女性は東先生の奥さんだった。秋文のファンだから一目見たいと東先生にお願いされて、今日だけ家に来てきた。そして、わざわざご飯まで作ってきてくれていたのだ。
「足はどうなの?」
「もう少し安静にしてた方がいいな。アメリカに行くなんてもってのほかだ。もう少し経ってからにしない。」
「………座ってるだけだからいいじゃないですか。」
秋文は千春の勤務先を調べていた。海外は、韓国と中国、そしてアメリカに千春の会社があることがわかった。秋文は、すぐに千春はアメリカにいると思った。彼女は英語が得意であったし、アメリカに行ってみたいとも話していたのを覚えていた。
だからこそ、治療の目的で帰国したけれど、バレないように千春に会いに行く予定だった。
けれど、それを東先生は許さなかった。
「同じ姿勢で何時間も座るなんて悪くなるばかりだ。明日は、病院で検査だぞ。」
「わかってますよ。」
東は、困った表情でリビングのソファに座った。美和子は、テーブルに次々に食事を並べていった。