強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました



 部屋の中をゆっくりと見て回る。
 彼がひとつひとつ選んでくれたのだと思うと、感動してしまう。

 そして、仕事用のテーブルの上に、何かが2つ並んでいた。
 プレゼントのようで、ラッピングまでされている。


 「秋文………これは?」
 「おまえの誕生日プレゼントだよ。」
 「え?2つも?」
 「それは、俺たちが離れていた時の分。買っておいたんだけど、会えなかったから。この間も、お前が、帰国するなんて知らなかったからな。」


 秋文は、会えなかった間も千春の誕生日を忘れることなく、そしてプレゼントまで準備してくれていたのだ。

 感動のあまり泣きそうになりながら、手前よひとつを手に取る。
 ゆっくりと開けると、そこにはピンクゴールドの腕時計が入ってた。


 「前に、おまえからこの腕時計もらっただろ。そのお礼。」
 「………まだつけてくれてたんだね。」
 「ずっと付けてる。」
 「ありがとう。」


 秋文の腕には少し古くなった黒の時計があった。大切に使ってくれているのか3年経っても、光っているように見えた。
 それだけでも嬉しいのに、秋文はそれ以上の事を千春にしてくれる。


 「こっちも見ていい?」
 「あぁ。」


 先ほどよりも大きいものだった。
 丁寧に開けていくと、そこにはキラキラと光るものが入っていた。


 「これって、ティアラ?え………。」


 秋文は何も言わずに、そのティアラを取って千春の頭に付けてくれる。
 そして、それの姿を見つめたあと、額にキスをしてくれた。


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