強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「そして、これが今回の誕生日プレゼント。だけじゃないけど。受け取ってくれないか。」
ポケットから出したもの。
それは小さな小さな箱だけど、夢を見続けていたもの。
秋文が開けてた箱の中には、先ほどのティアラよりも美しく華やかに輝く宝石がついた指輪が入っていた。
「秋文………これって………。」
「俺と結婚してくれないか。まだお互いに忙しくて大変な時期だけど。……だからこそ、おまえを守っていきたいし、おまえに支えてもらいたいんだ。いつも泣かせてばかりだったけど、これからは今まで以上に大切にするから。」
先程の、恥ずかしさを見せた顔はなく、彼はとても真剣な顔で千春を見つめていた。
さきほどのティアラは結婚式用に彼が選んでくれたのだろう。
そして、この部屋も千春がこれから過ごすために秋文が準備してくれたものだ。
そんな空間でのこの言葉。
これほどに素敵なプロポーズはあるだろうか。
離れていた間も、ずっと見ていてくれた。そして、昔もずっとずっと見守っていてくれた。
そして、これからの未来も約束してくれる。
大好きな人からのプロポーズ。
千春はポロポロと泣きながら、秋文にゆっくりと近づいてそして、千春から彼を抱き締めた。
「ありがとう、秋文。私を秋文のお嫁さんにしてください。」
「……っっ、千春。ありがとう………。絶対に大切にするから。」
秋文の香りと桜の花の春の香りがする部屋で、秋文と千春は今までで1番強く抱きしめあった。
これからの幸せな未来を想像し、そして目の前の愛しい人を幸せにしたい。
そう願いながら。
(おしまい)