強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「ごめんなさい………私、今最低なこと言った。せっかく、秋文が気持ちを打ち明けてくれたのに、それに向き合ってなかった。………ごめんなさい、秋文。私、自分のことばっかり考えてたよね。」
「千春………。」
千春は、押し倒され恥ずかしくもあったけれど、まっすぐと秋文の目を見て、自分の気持ちを伝えようと、真剣な表情で、言葉をゆっくりと紡いで話しをした。
「あのね、秋文は遠征の後にすぐに来てくれるって言ってたでしょ。だから、その昨日来るのかなって思ってた………テレビで、秋文のチームは日曜日の夜には戻ってきてるって言ってたから、昨日おうちに来てくれるのかなって。そしたら、連絡なかったひ、その………昨日、帰りに秋文の車に綺麗な女の人がいたから。なんか、私が好きっていうのは、1番じゃないのかなって思っちゃって……って、何で笑うの?」
必死に言葉を探して、昨日のことや自分の気持ちを伝えていると、秋文は途中から片手で顔を隠しながら、何故か、くくくっと笑っていた。
どうして笑われているのかわからず、千春は恥ずかしくなってしまう。自分の真剣な話が笑われているのだ。笑われる理由がわからない。
「いや……悪い。つい、嬉しくて。」
「え、何で、嬉しいの?」
「………それ、嫉妬してくれたんだろ、その女に。」
「えっ………そ、そんなこと……そうなのかな?」
秋文の言葉に反論しようと思いながらも、妙に納得してしまう。彼は「おまえの事だろ。」と言いながらも、まだ嬉しそうにしている。
押し倒されたままだった体を、「悪かった。」と言いながら、腰に手を添えて起こしてくれる。そんな風に優しくされながら、千春は秋文を見つめながら考えていた。
確かに、秋文が会いに来てくれると思っていたのに、来てくれなくて他の女の人と会っていたのには、寂しさを感じていて、もしかしたら嫉妬のような感情もあったのかもしれない。
けれど、秋文の事が好きなのかと考えると、まだよくわからなかった。抱き締められたり、顔が近くにあったり、色っぽい声で囁かれればドキッとはする。けれども、それが好きだからドキドキするのかはわからなかった。
「とりあえず、昨日の女は彼女とかじゃないから。前に紹介されて1回飲みに行ってからしつこくて。試合終わってから勝手に着いてきたから、とりあえず家に送っただけだ。」
「そう、なんだ……。」
けれども、秋文があの女性と付き合ってないとわかると、安心する自分もいる。
千春は、いろいろと考えすぎて頭がパンクしそうだった。
「それで、告白の返事聞いていいか?」