強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「……秋文……1回じゃなかったよ……。」
「悪いな。……おまえとキスしてたら、止まんなくなった。」
熱を持った千春の体をぎゅーっと抱き締めながら、秋文は恥ずかしそうにそう言っていたが、ちっとも悪そうにはしていなかった。
きっと、1回でやめるつもりなんて元からなかったのだろう。
そんなことを思いながらも、彼の胸で呼吸を調えていると、彼の体も熱くなっており、鼓動も早くなっていた。
彼も自分と同じぐらいドキドキしているのだとおもうと、千春は嬉しい気持ちを感じていた。
「そろそろ離れないと、次はこのまま俺の部屋まで連れて帰るぞ。」
「えっ!?」
秋文の甘い誘いだったけれど、さすがにすぐに彼の家に行けるわけもない。
千春は、慌てて秋文の体から離れた。すると、彼は苦笑しながら「残念。」と言った。
送ってもらったお礼を言って、車から降りると秋文が窓を開けて「千春。」と呼んだ。千春は、少し屈みながら彼を見ると、秋文はハンドルを握りながら、千春の顔を見ると優しく微笑んだ。
「これから、よろしく。」
「……うん。こちらこそ。」
「じゃあ、また連絡する。おやすみ。」
秋文は、挨拶をするとそのまま車を走らせて行ってしまった。
今までは優しいけど、意地悪で俺様な男友達だった。
けれど、千春に好きだと気持ちを打ち明け、恋人の関係になった彼は、とても甘く優しい男性になっていた。
そんな彼に10年以上も片想いをされていたというのは、今でも信じられない。そんな自分を深く愛してくれる秋文が自分の恋人になったのだ。
これから、彼がくれる時間はどんなものになるのだろうか。
今のように、優しく甘く接してくれたり、熱く激しく求められるのだろうか。
部屋に戻り、一人になった後も考えることは秋文の事ばかりだった。
付き合う事になり、いつもよりテンションが上がって、子どものように喜ぶ秋文の笑顔。そして、先ほどの甘いキスを繰り返しくれた、熱を帯びた瞳で見つめる色気のある彼。そんな事を思い出しては、ベッドで枕を抱きしめながら、恥ずかしくなってしまう。
自分は彼に夢中になってしまうのではないか。そんな予感を感じながら、千春は甘い余韻に浸っていた。