強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
千春の言葉を、聞いてギョッとした表情を見せたが、その後、秋文は大きくため息をついた。
「今日の事だけど……本当は少し悔しかったんだ。おまえが、元カレを忘れられなかった事。」
キスをした後、少しだけ顔は離れたけれど、まだ秋文とは距離は近い。
そんな間近で、秋文から本音を聞くと、自分が彼を傷つけたことを思い知らされる。
利用してもいいと言っても、傷つかないはずがないのだ。
「だから、絶対に先輩とか言う奴よりも、俺の方が良いと思わせてやる。」
普通だったら、怒られたり嫌われたりする事を自分がしてしまったという自覚はある。
けれど、彼はそれを自分がその人より勝っていればいいと考えてしまったのだ。
それは、とても申し訳ない事だったけれども、千春にとっては彼が眩しく、そしてとてもかっこよく見えた。
そして、それはある予感を感じさせるものになった。
「………千春?」
「ありがとう、秋文。」
千春は、彼の暖かさに触れたくて、額を彼の胸にポンッと預けた。顔に暖かさと、彼の香りを感じて、千春は安心してしまう。
すると、彼は千春の体に腕を回して、優しく抱き締めてくれた。
全身を彼に包まれながら、千春は思った。
きっと、私は彼を本気で好きになる、と。