強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
しばらくすると、秋文がゆっくりとドアを開けて静かに部屋に戻ってきた。
「秋文…………?」
「………千春。起こしたか………悪かったな。」
「ううん。もう、起きるの?」
「いや………せっかくの休みだし、ゆっくりする。」
そう言うと、秋文は千春がいるベットに潜り込んだ。そして、すぐに千春を抱き締めてくれる。
「あー、なんか夢なのかってぐらい、幸せだな。」
「………そんなに?」
「千春は違うのかよ。」
「ううん。同じだけど……なんか、秋文にそう言われると嬉しくて。そんな事言ってくれる人じゃないと思ってたから。」
友達の頃は、口は悪いし、俺様だし、自分の気持ちはあまり言わない、けれど、いつも楽しそうに四季組にいて、仲間を大切にしている。そんなイメージだった。
けれど、付き合い始めてからは、「好き」という気持ちを伝えてくれるし、少し恥ずかしいことも平気で言ってくれる。それが意外だったけれど、彼の好きな所のひとつになった。
大好きな人に、可愛いとか好きだとか、幸せだとな言われる事ほど嬉しいものはないはずだから。
「そうか?俺はおまえには素直だと思うけどな。昨日の夜の千春は、可愛かったなーとか少し大胆なこともするんだなーとか声が色っぽいとか………….。」
「っっ!秋文ー、そんな恥ずかしいこと言わないでよ。」
「いいだろ。そんなおまえも好きだし、ますます惚れた。」
「………ずるいよ、秋文は。」
からかいながらも、甘い言葉を言ってくれる。
昨日の事を思い出してしまい、照れてしまい隠れるように秋文とは逆の方向を向く。
彼はそれを許すはずもなく、今度は後ろから抱き締めて捕まえられる。そして、首筋や肩、背中をキスされてしまい、昨日の与えられた熱がまた蘇ってくる。
彼の動きに合わせるように、声が出てしまう。
そんな甘い朝の始まりの戯れは、昼過ぎまで続いたのだった。