強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「秋文と千春がラブラブなところ、私も見たかったなー。」
立夏は、千春のスマホについていた秋文とお揃いのユニフォームキーホルダーを指差しながら、ニヤニヤと笑ってた。秋文の名前が入っているのに気がつきたのだろう。とても嬉しそうに笑っていた。
「いいなー。私も彼氏欲しいなぁー。寂しいよー。」
「わかる!寂しいよね。」
「千春も同じだったか。よし、今日は飲むぞー!」
「さんせーい!」
「おいおい。今日は秋文いないんだから、ほどほどにしてくれよ。」
2人の女子パワーに圧倒されたのか、出は苦笑しながらゆっくりとお酒を飲んでいた。その後すぐに彼がソフトドリンクに切り替えたのを、千春と立夏は気づくはずもなかった。
「千春、大丈夫か?」
「大丈夫だよー!もう出は心配性なんだから。」
「……歩きがフラフラだぞ。」
立夏と恋愛トークをしながらお酒を沢山飲んでしまったせいか、少し足元がふらついてしまう。もともとお酒に強い立夏は一人でタクシーに乗って帰っていたけれど、千春は心配だからと言って、出が送ってくれる事になっていた。
タクシーの中では、ウトウトしてしまう。これは、秋文といる時の癖なのか、すぐに寝てしまった。隣に、温かい体温を感じる。
タクシーに揺られて心地よくなる。そして、その温かさに甘えて隣の人の肩に頭を預けた。
もちろん、彼は何も言わずに肩を貸してくれた。
「バックから鍵取るからな。」
「うんー。眠い………。」
「あともう少しだから。千春、頑張って。」
誰かに支えられられながら、マンションの廊下をゆっくりと歩き、部屋に入る。
そのまま、ベットに倒れ込むと、少し体を抱きかかてられて、丁寧に寝かせてくれた。