強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「秋文、どうしたの?こんな朝早くに。」
『今日は試合の移動だから早いんだ。それより、昨日はすまなかったな。』
「ううん。また、今度みんなで会おうね。それと、私の家の鍵だけどありがとう!どうして、秋文が持ってるの?」
『昨日帰りにあいつから連絡がきたんだ。そして、受け取った。』
普通の話をしているのに、何故か秋文の声が沈んでいるのに気づいた。昨日は遅くまで飲み会をしていたのに、今日はこんなに早い時間に起きて試合。やはり、秋文は疲れてるんではないかと、千春は心配になる。
「秋文、本当に大丈夫?……疲れてるよね?」
『俺は大丈夫だ。移動中にも寝れるしな。』
「そっか。あんまり無理しないでね。」
『あぁ………。そのさ、昨日は出と何もなかったか?』
「え?出と………?飲み会して、送ってくれただけだけど。あ、桜のネックレス褒めてくれたよー!」
『そうか。……今日移動して明日帰ってくるんだけど。明日昼間の試合だから、夜に戻ってくるよ。』
「わかった。気を付けてね。試合も頑張って。」
『…………。』
「秋文?……どうしたの、やっぱり変だよ?」
チームの司令塔として秋文が試合を欠場出来ないのも、ファンが待っているから休めないのも、よくわかる。けれど、無理をしてまで行って欲しくなかった。それで秋文に何かあったらと思うだけで、怖くなってしまう。
『いや、本当に大丈夫なんだ。……悪い心配させて。』
「本当に?」
『本当だ。それと、明日の夜、おまえと会って話がしたいんだ。』
「……うん。それは私は嬉しいけど、もし疲れてるなら、私が秋文の家に行くよ。」
『俺が千春の家に行くからいいよ。あ、でもおまえの料理が食べたい。』
「わかった!準備しておくね。」
その後は、何が食べたい?とか、何時頃になりそうとか、そんな話をしてから電話を切った。
千春はお風呂に入りながら、彼が言っていた話とは何かを考えて。
今、秋文が頑張っている事を話してくれるのだろうか?それとも、もっと忙しくなるとでも言うのか。
彼の話しを聞く前から悩んではダメだとわかっているけれど、千春は考えずにはいられなかった。