強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました



 英会話が終わり、家へ帰る時間まで、雨は降り続いていた。

 千春はビルから出ようとした所で「千春先輩っ!」と後ろから声を掛けられた。そこには、少し前に試合で会った後輩の静哉が手を大きく振りながら小走りで近づいてきていた。


 「静哉くん!こんなところでどうしたの?」
 「ここのビルの整骨院に通ってるんですよー!足の具合が悪くなってからここに通ったらよくなったんです。」
 「そうだったんだ。もう大丈夫なの?」
 「はい!それより、先輩はご飯まだですか?よかったら一緒に食べませんか?聞きたいことがあって。」
 「うん。大丈夫だよ。」


 静哉の聞きたいことというのは、秋文の事だと勘づいていたけれど、千春は気にせずにその誘いを受けた。もちろん、話がなくても彼は仲の良い後輩のひとりなので、断るつもりはなかった。


 「ここのお店は出先輩と秋文先輩に教えて貰ったんです。」
 「そうなの?すごく素敵だね。」
 「ここの特製ハンバーグがすっごいうまいんです!」


 静哉が連れてくれたのは、裏路地にひっそりとある洋食屋さんだった。レトロな雰囲気があるお店で、人気があるのかたくさんの人で賑わっていた。
 個室ではなかったけれど、静哉の職業を考慮してくれてのか、端の目立たない席に案内された。


 料理を注文し、運ばれてくる間。
 静哉は早速「聞きたいこと」の話を始めた。


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