強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
突然のキスに驚き、体が離れていこうとするのを、秋文は抱きしめて止める。
パチャパチャと水が跳ねる音が聞こえていたけれど、キスを続けていくとそれも止まり、口から聞こえる水音が浴室に響いていた。
時折彼女から洩れる声が、秋文を興奮させ、更にキスは深いものになっていく。
「ちょ……秋ふみぃ………。のぼせ、る………。」
キスとキスの間に、涙目の千春が必死にしゃべろうとして、何とか意味が伝わり、秋文は唇を離した。
「もう………こんな所で激しくしないでよ………。」
「家の中なら場所関係ないだろ?前だって、玄関で………。」
「わぁー!それは恥ずかしいから!」
この場には2人かいないのに、隠す意味はないと思いながらも、千春をからかうのを止めた。これ以上言うと、千春が怒ってしまうのを秋文は知っていた。
「ここのお風呂広いからゆっくり入りたいのに。……秋文のせいで、いろいろのぼせそう。」
「いつでも風呂ぐらい貸してやるけど………何、千春もしかして、体火照ってきた?」
「もぅ!秋文、えっちなんだから。」
そう言って、秋文がいる浴槽の反対側に体を丸くして座りながら、ジロリと千春が睨んできた。
そろそろ自分ものぼせそうになったので、浴槽から出る。すると、すぐに千春は視線を下にして水面を見つめる。お互いに裸を見せ合っている仲だというのに、まだ初々しい反応を彼女は見せていた。
それを微笑ましく見つめながら、秋文はある事を思い出した。
「上がったら千春にあげたいものがあるんだ。」
「え……なんだろう、気になる。」
「だったら早く上がってこいよ。俺は先に上がる。」
そう彼女に伝えて、秋文は一足早く浴室から出た。