分け合う体温
まるで、本当の恋人同士みたいだ。

帰っている途中、私達は何も話さずに、無言で歩いた。

何も話さなくても、私と理人の思う事は、一緒だったと思うから。


「あら、内田さんところの。」

体がビクッとした。

「こんにちは。」

理人が挨拶した相手は、ご近所さんだった。

「相変わらず、仲のいい姉弟キョウダイね。」

「えっ……」


仲のいい……

そんな風に見えるの?

私の心臓は、ドキドキと速くなった。


「そうですか?」

私は理人の方を見た。

「歳が近いからですかね。」

「ははは。そうかも。」

理人が上手く交わしてくれたおかげで、ご近所さんは笑いながら、行ってしまった。


その時、そっと理人が、手を握ってくれた。

「大丈夫だよ。バレてない。」

私は、はぁーっと息を吐いた。
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