分け合う体温
「由乃、どうしたの?」

お母さんの問いかけに、ハッとした。

「ううん、何でもない。」

急いで、焼いたお肉をつまんだ。


「ところで、理人。高木先生、元気?」

その瞬間、理人の体が大きく反応した。

「あ、ああ……」

「なあに?高木先生が美人だからって、慌ててるの?」

お母さんのその言葉に、私はムッとした。

「高木先生って、誰?」

「理人の高校の、音楽の先生。ほら、理人が2,3日、学校を休んだ事があったでしょう。」


そうなのだ。

理人は、去年の高1の時、突然学校を休んだ。

心配したけど、3日ぐらいで元気になったから、安心した。


「その時にね、一度高木先生が、お見舞いに来て下さったのよ。」

「へえ。」

そんな事があったなんて、知らなかった。
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