分け合う体温
「あれに乗ろう。」

理人は私の手を取ると、コーヒーカップに連れて来られた。

「子供だね。」

「いいだろう。由乃と一緒に、乗りたいんだから。」

そして私達は、ワクワクしながら、コーヒーカップに乗った。

動き始めると、理人はコーヒーカップを、回し始めた。

「きゃあ。」

「はははっ!」

私が怖がるのを見て、理人は大はしゃぎ。


そんな理人を見るのが、私は楽しくて仕方なかった。

ねえ、理人。

私達、傍から見れば恋人同士に見えるかな。

この瞬間を楽しんでいる、好き同士に見えるかな。

理人は、目が合うとニコッと笑ってくれた。

それだけが、答えを知る手掛かりになるみたいで、私も一緒に微笑んだ。

くるくる回る景色の中で、もう理人しか見えなかった。
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