分け合う体温
「俺、生半可な気持ちで、付き合ってる訳じゃないから。」

「うん……」

そして、観覧車が下に降りて来た。

「ほら、手。」

降りるのに、手を取ってエスコートしてくれた。

もう私は、お姫様気分だった。


「理人。」

思い切って、理人の腕に絡みついた。

「嬉しかった。ありがとうね。」

「ああ。」

二人見つめ合って、キスをした。

その時だった。


「由乃?」

聞き覚えのある、声がした。

振り返ると、そこには英吾の姿があった。

「英吾!」

急いで理人から、手を放した。

英吾の事見れなくて、下を向いた。


「知り合い?」

理人が、私に聞く。

「えっと……学校の友達。」

「横山です。宜しく。」

英吾は、理人に頭を下げた。

「えっと……こっちは……」

私が迷っていると、英吾は冷たく言い放った。
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