分け合う体温
目を大きく見開いた。

この字は……英吾だ。

英吾が、これを書いてお父さんに?


「はっきりしろ!」

お父さんは、理人を踊り場に投げた。

壁にぶつかって、理人は倒れた。

「理人!」

私は、理人を抱き起した。

「大丈夫?理人!」

一方では、お母さんがお父さんを、止めようとしていた。

「お父さん、止めて下さい。何かの間違いですよ。そうよ。その人が、でたらめを書いたんだわ。」

お母さんは、自分に言い聞かせるように、呟いた。


「ねえ、そうでしょう?由乃。理人と付き合ってるだなんて、嘘よね。」

「お母さん、落ち着いて。」

理人を胸に抱きながら、お母さんまで宥める事になるなんて。

ああ、どうしたらいいの?


そんな時、理人が起き上がって、土下座をした。
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