分け合う体温
「何の真似だ?」

「そうよ、理人。」

理人は震えながら、こう言った。

「ごめんなさい。そこに書かれている事は、本当の事なんだ。」

お母さんは、何を思ったのか、私を理人から離した。

「ウソよ、ウソ。」

「嘘なんかじゃない。俺は、由乃と付き合っている。」

お父さんは、私の方を見た。

私も、うんと頷いた。


「この、大馬鹿者!」

お父さんは理人を立ち上がらせると、頬を殴った。

また壁にぶつかる理人。

「お父さん、止めて!」

理人の側に行きたいのに、お母さんが邪魔して行けない。

「理人を殴るのは、止めて!」

私は、思いっきり手を伸ばした。


「私が悪いの。理人を好きになった、私が悪いの!」

「違う!」

理人は、私を見ながら叫んだ。

「先に由乃を好きになったのは、俺なんだ!」
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