分け合う体温
「ううん。」

私よりも頭が良くて、間違う事が少ない理人が、私に3回も謝っている。

なんだか、可愛く見えた。

「じゃあ、買い物行こう。」

「おう!」


そう、私達はいつも一緒。

離れ離れになるなんて、考えもしない。

いつまでも、一緒なんだって、年甲斐もなく思っていた。


夜になって、夕食を食べ終えた私達は、一緒にテレビを観ていた。

「理人、先にお風呂入る?」

「うん。」

いつも通り、理人が先にお風呂に行った。


しばらくして、お風呂から理人の声がした。

「由乃!」

「なあに?」

重い腰を上げて、私は脱衣所に向かった。

「どうしたの?理人。」

「パンツ、持ってくるの忘れた。持って来て。」

「仕方ないな。」

私は口を尖らせながら、またリビングに戻った。
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