明鏡止水
【序章】
「死ぬことを恐れるな」
小さい頃から言われた言葉
小さな手は大きな鉄製の凶器を握りしめ、手榴弾をポッケに閉まった。今日も始まる、血みどろの戦争…感情のない僕達は、小さい頃から戦場で虐殺をしている…正直、なんの為に殺しているのかはわからない。
生きる意味なんて無い。
戦場で誇らしく死ねるのは名誉な事だ。
名前の代わりに固有番号をつけられて、皆からはその番号で呼ばれる。
親はとうの昔に死んだ。
…ジリリリリっ
「っ?!」
瞬間、耳障りな目覚ましの音がなった…
見慣れたボロボロの天井、殺風景な部屋の隅、反発性が無く、硬い、寝心地の悪いベッドの上、
「夢か」私は自覚した
これまた嫌な夢を見たな…気分が悪い
小さい頃の夢は嫌のものばかりだな
私の国では小さい頃から英才教育を受けている。
物心つく前から武器を持たされ、厳しい訓練を強いられてきた。
道徳心も、良心のかけらもなく、私達にそ教えられていたのは『人は殺せば動かなくなる』
『動かなくするには殺せばいい』
たくさんの人をこの手で殺してきた。
私だってほんとはこんなはずじゃなかった。
両親を小さい頃に失わなかったら、軍人にさえならなかったら…と思うと胸が痛い。
…生後間もない頃の私は、純粋無垢の塊であり、邪念のかけらもないその笑顔は山野を愛の光で満たしたと言える。
それも今はどうであるか…
そう思って鏡を見て、その寝ぼけた顔を見ると怒りに駆られる。
なにゆえお前はそんなことになったのか…責任者を問いただす必要があるな、責任者はどこだ!
そんなことを思いながら
「お前は誰だ」「私は私だ」
などと言うバカげた自問自答をした。
とはいえ、仕事は仕事だ。
人殺しで金が入る。これほど割のいい仕事は無い。
ふてぶてしくも、いっそ清々しいほどのポジティブ解釈で無理矢理やる気を出させる毎日だ。
はぁ、朝から大きなため息をついた。
「今日も仕事か…」
私はそうつぶやき、不味い朝飯を食った。
乱れた軍服を整え、武器を片手に取り、手榴弾を鞄へしまいこんだ。
準備は整った、仕事場へ向かおう。
〜軍基地〜
今日は少佐殿に呼ばれている、一体何の用なのだか…面倒事はごめんなのだがな、
面倒くさいことになりません様にと神に願いながらトントン、と、いかにも紳士らしく優しく扉をノックした。
「番号27番、入ります。」
「おぉ、27番、来たか、」
27番、これがこの軍から唯一与えられた私の固有番号だ。
「それで、要件は何でしょうか」
私はおもむろにたずねた。
「お前は、時と場合関係なく、引き金を引くことが出来るだろう?」
少佐は不敵な笑みを浮かべた
「それが命令であれば…」
「イイネ!実に良い!」
やけに嬉しそうだ。
「そんな君にピッタリの任務だ」
「ちょぉっと敵国でぇ、ちょぉっと期間が長いけどぉ、安心してねぇ♪一月もあればなれるから♪」
任務内容を見た。これは暗殺任務…
期間が長くなるというのはどういう意味なのか、疑問に思ったがそこにはあえて触れなかった。
「誰を殺すのですか?」
少佐は答える。
「敵国にいる宗教集団達が厄介でな、そこにいる3人の教祖を殺してほしい。」
宗教集団か、下手すればテロやクーデタを起こす厄介な奴らだからな、
「わかりました。」
「そして、奴らとコミュニケーションをとり、仲間のふりをし、最終的に裏切って混乱を招いてほしい…」
………
……
…
What?
「もう一度聞いてもよろしいでしょうか…?」
「あぁ、だから、コミュニケーションを上手くとっt…」
「でぇきるわけねぇでしょぉがぁぁぁぁ!!!」
考えるより先に口が動いた。
私はこう見えてコミュ症であり、24になった今でも童貞を卒業しておらず、周りに追い越されていった
ゆえに、異性からの孤立、学問の放棄、周りに追い越される劣等感などの、打たんでもいい布石を狙いすましたかのように打っていったこの軍人生活、
今更敵国とのコミュニケーションを取ることは言うまでもなく、仲間のふりを?なんだ?する?
できるわけがなかろう。
「ど、どど、どうしたんだね?!いきなり大きな声を出して」
少佐は困っている。
「んんんっ、」
咳払い一つ、私はすぅっと大きく息を吸うと一息に言う。
「少佐殿は私のことを一切見ていなかったのですか?友人の少なさはかくやと思われるこの惨めな現状で、まずまずまーず、上司としか話したことがないこの私が敵国の仲間のふり?できるわけがありません。更にいうと敵国には女の戦士が多いというではないですか。そんな童貞殺しの国の宗教団体など、そそのかせるわけが無いでしょう!」
そう、少佐殿はわかっていないんだ。私がどれほどのコミュ症であるのか、
「君のそこまでの語彙力があれば、なんとかなるよ、頑張って、ファイトだよ!」
そう言って少佐は部屋を出た…
………
……
沈黙の空間が続く…そして私は心の中で泣き叫んだ
「死ぬことを恐れるな」
小さい頃から言われた言葉
小さな手は大きな鉄製の凶器を握りしめ、手榴弾をポッケに閉まった。今日も始まる、血みどろの戦争…感情のない僕達は、小さい頃から戦場で虐殺をしている…正直、なんの為に殺しているのかはわからない。
生きる意味なんて無い。
戦場で誇らしく死ねるのは名誉な事だ。
名前の代わりに固有番号をつけられて、皆からはその番号で呼ばれる。
親はとうの昔に死んだ。
…ジリリリリっ
「っ?!」
瞬間、耳障りな目覚ましの音がなった…
見慣れたボロボロの天井、殺風景な部屋の隅、反発性が無く、硬い、寝心地の悪いベッドの上、
「夢か」私は自覚した
これまた嫌な夢を見たな…気分が悪い
小さい頃の夢は嫌のものばかりだな
私の国では小さい頃から英才教育を受けている。
物心つく前から武器を持たされ、厳しい訓練を強いられてきた。
道徳心も、良心のかけらもなく、私達にそ教えられていたのは『人は殺せば動かなくなる』
『動かなくするには殺せばいい』
たくさんの人をこの手で殺してきた。
私だってほんとはこんなはずじゃなかった。
両親を小さい頃に失わなかったら、軍人にさえならなかったら…と思うと胸が痛い。
…生後間もない頃の私は、純粋無垢の塊であり、邪念のかけらもないその笑顔は山野を愛の光で満たしたと言える。
それも今はどうであるか…
そう思って鏡を見て、その寝ぼけた顔を見ると怒りに駆られる。
なにゆえお前はそんなことになったのか…責任者を問いただす必要があるな、責任者はどこだ!
そんなことを思いながら
「お前は誰だ」「私は私だ」
などと言うバカげた自問自答をした。
とはいえ、仕事は仕事だ。
人殺しで金が入る。これほど割のいい仕事は無い。
ふてぶてしくも、いっそ清々しいほどのポジティブ解釈で無理矢理やる気を出させる毎日だ。
はぁ、朝から大きなため息をついた。
「今日も仕事か…」
私はそうつぶやき、不味い朝飯を食った。
乱れた軍服を整え、武器を片手に取り、手榴弾を鞄へしまいこんだ。
準備は整った、仕事場へ向かおう。
〜軍基地〜
今日は少佐殿に呼ばれている、一体何の用なのだか…面倒事はごめんなのだがな、
面倒くさいことになりません様にと神に願いながらトントン、と、いかにも紳士らしく優しく扉をノックした。
「番号27番、入ります。」
「おぉ、27番、来たか、」
27番、これがこの軍から唯一与えられた私の固有番号だ。
「それで、要件は何でしょうか」
私はおもむろにたずねた。
「お前は、時と場合関係なく、引き金を引くことが出来るだろう?」
少佐は不敵な笑みを浮かべた
「それが命令であれば…」
「イイネ!実に良い!」
やけに嬉しそうだ。
「そんな君にピッタリの任務だ」
「ちょぉっと敵国でぇ、ちょぉっと期間が長いけどぉ、安心してねぇ♪一月もあればなれるから♪」
任務内容を見た。これは暗殺任務…
期間が長くなるというのはどういう意味なのか、疑問に思ったがそこにはあえて触れなかった。
「誰を殺すのですか?」
少佐は答える。
「敵国にいる宗教集団達が厄介でな、そこにいる3人の教祖を殺してほしい。」
宗教集団か、下手すればテロやクーデタを起こす厄介な奴らだからな、
「わかりました。」
「そして、奴らとコミュニケーションをとり、仲間のふりをし、最終的に裏切って混乱を招いてほしい…」
………
……
…
What?
「もう一度聞いてもよろしいでしょうか…?」
「あぁ、だから、コミュニケーションを上手くとっt…」
「でぇきるわけねぇでしょぉがぁぁぁぁ!!!」
考えるより先に口が動いた。
私はこう見えてコミュ症であり、24になった今でも童貞を卒業しておらず、周りに追い越されていった
ゆえに、異性からの孤立、学問の放棄、周りに追い越される劣等感などの、打たんでもいい布石を狙いすましたかのように打っていったこの軍人生活、
今更敵国とのコミュニケーションを取ることは言うまでもなく、仲間のふりを?なんだ?する?
できるわけがなかろう。
「ど、どど、どうしたんだね?!いきなり大きな声を出して」
少佐は困っている。
「んんんっ、」
咳払い一つ、私はすぅっと大きく息を吸うと一息に言う。
「少佐殿は私のことを一切見ていなかったのですか?友人の少なさはかくやと思われるこの惨めな現状で、まずまずまーず、上司としか話したことがないこの私が敵国の仲間のふり?できるわけがありません。更にいうと敵国には女の戦士が多いというではないですか。そんな童貞殺しの国の宗教団体など、そそのかせるわけが無いでしょう!」
そう、少佐殿はわかっていないんだ。私がどれほどのコミュ症であるのか、
「君のそこまでの語彙力があれば、なんとかなるよ、頑張って、ファイトだよ!」
そう言って少佐は部屋を出た…
………
……
沈黙の空間が続く…そして私は心の中で泣き叫んだ