今でも君を。
水族館を出てすぐ少し小さめな
ツリーにイルミネーションが彩られていた。
「わぁ〜、すっごく綺麗。。」
すごくシンプルなのにそれがとても綺麗で
思わず見惚れてしまった。
「綺麗だな。」
凌弥もツリーを見ながらニコッと笑った。
なんだかその笑顔がとっても安心できて
誰にもその笑顔を向けて欲しくないと思った。
「うん、すごく、、綺麗。今日はありがとう!」
「え、もう帰んの?」
あー。もう出勤の時間だよね。。。
やっぱり同伴しなきゃなのかな〜。
「そうだよね、今日こんなに楽しませて
もらったのにお店行かないなんて失礼だよね!」
「え、なに言ってんの??
俺今日店休みにしてあんだけど??」
え?休み?
売れっ子ホストがイブの夜休みっていいの!?
言葉が出なくて、ただただ凌弥の顔を
ぽけーっと見つめていると
「なーんか腹減ってきた!夕飯何食いてえ?」
「え、いや、イブの夜なのに仕事大丈夫なの?」
ハハっと笑いながらまたあたしの手を握って
歩き出す凌弥。
「なんかさー、会ってまだ2回目だし
こんな事言ったらチャラいとか思われるかも
しんねーけどさ。。」
「ん?どうしたの??」
「俺、瑠衣とイブ過ごしてーと思って。
なんつーか今日二人で出掛けて
お前の笑った顔とか、嬉しそうな顔とか
ちょっと照れた顔とか誰にも見せたくねえと思った。」
え、さっきわたしも同じ事思った。。
でもなんか恥ずかし過ぎてそんなこと言えるはずもなく
赤くなった顔がバレないように下を向いていると
「悪りぃ。急にんな事言っても困るよな!
さ!飯食いに行こ!焼肉食いてえ!!」
言わなきゃ。何か言わなきゃ。
困ってなんかないし、むしろ同じ事思ってた。。
「凌弥!!あっ、あのねっ。。
あたしも、、、。あたしも同じ事思ってたの!!」
え?って顔であたしを見る凌弥。
「いや、だから、その。
さっき凌弥が笑った顔見た時なんかわかんないけど
他の誰にも見られたくないって思った。。。」
急にしゃがみ込んで地面をパンパン叩きながら
急に立ち上がったと思うと思いっきり抱きしめられた。
「え!ちょっ、待ってなに?どうしたの??」
「いや、まじですげぇ嬉しい。何それ。。」