【完】妖と契約した少女は陰陽師と共に
「大丈夫です。春は危険な妖ではありません。」
信じてもらうには実際に見せるしかない。奏多は今までの話を黙って聞いていたけど、春の事を100%信用していないのは分かる。
私は目をつぶり、そっと腰にある蓮の花の形をした痣に触れると、ポッと熱がこもった。
次に目を開けると、金色の瞳を持つ春が現れる。
「私の名は春。隠り世から来た妖狐である。春の話しは全て事実。ほかに何の説明がいる?」
「…あ、いやっ…」
おじさんは言葉が出ないようだが信じてくれたようだった。