今夜、色のない君と。
「彼女がいると結構楽しいもんだぜ?」
「そうかな。面倒くさそう」
「はふー!このスットコドッコイ!」
今まで好きな人なんかできたこともないし、彼女なんて以ての外。
“食糧と水と住処と小説在れば生けるべし”
これが僕のモットーだ。
恋人がいなくたって生きていける。
死ぬわけじゃない。
───まもなく、○○駅〜○○駅です。お出口は右側です───
「じゃ、僕はここで降りるから」
「は?俺たちの最寄駅ここじゃねぇじゃん」
「いつもの本屋寄ってく。先帰ってて」
「はよ言えや」