今夜、色のない君と。
「あーあ、昔の緒都はヒーローみたいでかっこよかったのになー!」
「なにそれ」
「……んー?べっつにー?」
───キーンコーンカーンコーン
なんかはぐらかされた気がするけど、チャイムもなっちゃったしそこまで気にならないからいっか。
僕はパンのゴミをビニール袋に入れて、ペットボトルを持って立ち上がった。
「ほら行くよ光世」
「えっ、いや待って俺まだ食ってねぇ!」
「はぁ?!あんだけ時間あって何やってたんだよほんとに」
「わりぃっ!」
「はぁ」